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家庭菜園

コマツナ栽培と作型

コマツナの生育特性

コマツナはアブラナ科の非結球葉菜で、中国から渡ってきたカブが祖先です。江戸時代初期に江戸川区小松川付近で、品種改良して栽培されていました。その地名から小松菜の名がつけられました。
古くから、収穫期によって冬には冬菜とか雪菜、初春に出回る若いものはうぐいす菜という別名があります。
(1)酸性土壌には比較的強く、連作障害の出にくい作物です。
(2)生育適温は20~25℃です。生育後半に3~13℃以下の低温条件になると花芽分化し、その後の高温・長日条件で抽台が促進されます。
(3)生育期間(播種から収穫までの日数)は春夏播きで20日前後ですが、秋冬播きで35~90日にもなります。

栽培技術の特徴

(1)健全な土壌づくり
生育期間の短いコマツナは、土壌水分が生育日数や品質に大きく影響します。多湿条件では軟弱徒長しやすく、収穫後の店もちも悪くなります。また、色つやのよいものに仕上げるには、生育前半に深く根を張らす必要があります。
このため、心土破砕や深耕を行い、排水のよい耕土を確保することが大切です。また、有機物の適切な施用により土壌の通気性を良くすることも、健全な根を作るポイントです。

(2)発芽をそろえる
発芽を揃えることは、品質を揃えることにつながります。整地前には十分に水うちをして、圃場の奥深くまで水を浸透させた状態で整地、播種を行い、播種後は潅水チューブや頭上潅水パイプで均1に潅水し、発芽が揃うまで乾燥させないようにします。

(3)適正品種の選定
(ア)濃緑で荷姿良好な品種
葉色が濃緑でつやがあり、葉が厚く、高温乾燥期に葉身のカッピング症状(葉身部に比べ葉縁部の生育が遅れるため、葉がカップ状に変形する)が出にくく、美しい荷姿を堅持します。

(イ)白さび病・萎黄病の耐病性品種
白さび病が発病しやすい梅雨や秋雨の時期、夏場の萎黄病でも安定して生育します。

(ウ)株張りよく、在圃性に優れる品種
じっくり生育し、葉柄が間延びしにくく株張リがよい。また、在圃性に優れて収穫遅れの心配が少ないです。

(エ)収穫作業が容易な品種
草姿が立性で葉がからみにくく、葉柄がしなやかで収穫時の折れ傷みが少なく、収穫作業が容易で迅速です。

基本作型の特徴
ハウス栽培の普及と品種改良により、周年栽培されています。したがって、作型は存在しませんが、あえて栽培の難易から、最も栽培しやすい「秋作」、抽台が問題となる「春作」、高温で生育が不安定になる「夏作」に分けられます。

露地栽培
3月から10月の播種が可能で、その間の高温期には耐暑性と萎黄病に耐病性の品種を選びます。また、炎天下の作業から遮光ネット、鮮度保持に予冷庫を利用します。

ハウス栽培
ハウスを利用したコマツナの周年栽培をする専作農家が輩出しています。年間5~7回作付けできるため、問題となる連作障害は、萎黄病です。対策はクロルピクリン剤などの土壌消毒と耐病性品種を用いた予防策です。まずは、この土壌病原菌を圃場に持ち込まないことが、最も重要です。さらに菌密度を増やさないためにも抜き取り収穫して、ハウスから罹病根茎を持ち出し、衛生管理を徹底します。
コマツナの作型

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