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ダイコンの栽培

ダイコンの起源と品種群

ダイコンの原産地は東部地中海で、日本へは奈良時代に中国大陸を経て渡来しました。
ダイコンの種の多様性は極めて大きく、根身の重さでは30gの二十日大根から20㎏の桜島大根、長さでは3cmの二十日大根から2m近い守口大根、形状も球、逆円錐、紡錘、円筒、細棒、徳利状と多様で、根色も白、緑、赤、黒など、肉質も疎密、甘味、辛味、澱粉質など品種により色々です。
このように品種分化が著しく、江戸期にはすでに周年栽培がされていました。栽培時期別に、秋ダイコンには宮重群、練馬群、聖護院群があります。冬ダイコンは三浦大根、桜島大根で、9月蒔きで1~2月に収穫されます。春ダイコンには10~11月に蒔いて2~4月に収穫する2年子・時無群があり、最も晩抽性です。近年、春先の短日下では花芽の発育や抽台が著しく遅れ、かつ、低温生長性に優れた韓国のアルタリ群との交配種が育成されています。3~4月に春蒔きして5~6月に収穫する青首系です。夏ダイコンには5~7月蒔きして7~9月に収穫するみの早生群で、最も高温期の栽培に適応します。

ダイコンの栽培管理

ダイコンは耕土の深い、膨軟な土壌に適します。聖護院や宮重群などは、短根または抽根性のため浅い耕土にも適します。粘質土は、肌が荒れて、ひげ根も多いが、緻密で、スが入りにくいので、越冬栽培に適しています。
乾燥は根の肥大を妨げ、肉質を硬化し、苦味・辛味を生ずるなど品質を悪くします。とくに、ホウ素の吸収阻害(欠乏症)を起しやすいので、適湿に管理するか、ホウ素入りの肥料を用いることです。
ス入りは根の過熟・老化現象です。品種により早晩があり、打木源助やみの早生群など生育の早いものは早く、三浦や時無群など生育の遅いものほど入りにくいです。

秋ダイコンの栽培ポイント

播種期が旧盆より早いと、高地温のため生理障害の発生が多くなります。打木源助では空洞症の発生がみられます。
生育中期以降の高温ストレスで糖・ホウ素等の代謝異常で、酵素褐変が誘導され、根身内部が褐変する赤心症が発生します。いずれも品種間差があります。
根身を輪切りにすると維管束部分が円く暗褐色になった萎黄病が発生します。土壌病原菌によるもので、難防除ですが抵抗性品種があります。以前にも発生した圃場ではYRの付いた品種を選択します。
線虫密度の高い圃場では、ネグサレセンチュウによる食害痕が出て商品価値を落とします。播種前にD―Dやネマトリンエースの殺線虫剤を施用します。


赤心症(右)と萎黄病(左)
春ダイコンの栽培ポイント

春ダイコンはとう立ち(抽台)の遅い品種を選ぶことが最も重要です。天宝は4月の露地栽培でもほとんど抽台しません。
キスジノミハムシの成虫は葉を加害、葉一面に無数の小さな円形の食害痕を残します。幼虫は根部を加害し、ナメリ症状やサメ肌となり商品価値が損なわれます。成虫は長寿(約4ヶ月)で産卵期間も長く、夏期には様々な生育ステージが存在します。年3~5回の発生で、成虫態で雑草根際の土中浅く潜入して越冬します。従って、播種時から20~30日までが防除のカギになります。
ダイアジノン粒剤を播種時および生育期に2回以内の使用です。播種時の作条土壌混和、生育中の株元土壌混和(ただし、収穫21日前まで)の施用法です。


ネグサレセンチュウ(右:黒点)と
キスジノミハムシ(左)の食害痕
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